「君の名は。」が最高だった件

sora

どうも、甘口コメンテーターのまっちゃんです。

先日、話題の映画「君の名は。」を見てきました。アニメとか全然詳しくないミーハーな僕ですが、めちゃくちゃ面白かった。CM見る限り、単なる入れ替わり系青春物語なんでしょう くらいにしか思っていませんでしたが、ラスト1分までハラハラしてしまったので、とにかく感想を書いていきます!
※前半はネタバレなし、後半はネタバレありです!

 

「君の名は。」はこんな映画!! ※ネタバレなし(あらすじなどは含む)

みなさんご存じかとも思いますが、そもそも「君の名は。」というのは、2016年8月下旬に公開されたアニメの映画です。新海誠(しんかいまこと)という有名な監督さんの映画で、有名な作品として「言の葉の庭」「秒速5センチメートル」といったアニメ映画でも監督をされています。わかりやすく言えば、方向性の違う宮崎駿ってところ。
そんな有名な監督の新たな代表作が「君の名は。」
男女の身体が入れ替わるアニメ映画 ということしか知らなかった僕ですが、声優が神木隆之介くんだからという安直な理由で、見に行くことを決意しました。
映画でもなんでも、僕はハッピーエンドが大好き。だから、男女が結ばれて終わるだろうと簡単に推測できるこの映画は、まさに僕が見る映画にふさわしい!そう思って見に行きました。
が、しかし、その推測はあっさり裏切られました。なぜなら、実はこの映画、ラスト1分までハラハラドキドキするストーリーだったのです。

美しい絵とストーリー

実は僕、新海誠さんの過去の映画を見たことがあります。上にも挙げた「秒速5センチメートル」という作品。※「秒速5センチメートル」のネタバレがちょっと入ります
「山崎まさよしの長すぎるPV」と揶揄されている秒速5センチメートルですが、簡単に言えば、昔の女をいつまでも引きずっている女々しい男の物語。映画の最後、会いたくてしかたなかった女の子とすれ違うのに、話すこともできず、振り向いたらもう彼女はいない(うろ覚え)という切なさMAXのラストでした。 内容自体はそこまで深いものではないのですが、なんといっても素晴らしいのが「絵」。絵なのか画なのかは知らないですが、桜や雪が舞う様子・街の背景などなど、アニメとかさっぱり分からない僕でも、いつの間にかその世界に入り込んでしまう魅力がありました。
「君の名は。」においても、その絵にめちゃくちゃ引き込まれました。 この映画の重要ワードの一つとして「彗星」が挙げられますが、すっごい美しいんだこれが。ぜひ映画館の大きいスクリーンで見てほしい。空が広く見えるよ(よくわからない)
そしてなんといっても、ストーリーがヤバい。
とても美しく描写されている彗星が、「美しい」と一言で片づけられなくなります。
基本的には、CMでイメージできるような「男女の入れ替わりの物語」で合ってます。眠るというきっかけで、数日に1回お互いの身体が入れ替わる。映画序盤で判明します。神木くん演じる瀧(たき)くんは、東京のイケメン高校生。一方、上白石萌音さん演じる三葉(みつは)ちゃんは、伝統に縛られる田舎暮らしのJK。なんの関わりもないはずの2人が、ある日突然入れ替わってしまいます。
ここまでなら、よくありがちなストーリーですが、実はもっと色々な要素があります。深すぎて、正直一回見ただけでは全てを解釈できませんでした。しかし、これ以上はネタバレになるので、<div style=”color:red;”>ここから先は、ネタバレOKな人以外は絶対に見ないでね!</div>

入れ替わりの背景 ※ネタバレ含む

結論から言います。とにかく最高の映画でした。ストーリーがきっちりとまとまっていて、伏線の回収も綺麗でした。そして何より、内容に衝撃を受けました。
一番驚いたのは、やはり「実は三葉は死んでいた」こと。映画を見た誰もが度肝抜かれたんじゃないでしょうか。ありがちなストーリーは、同じ時間軸の上でお互いが入れ替わりますよね。しかしこの映画は、時を越えて入れ替わります。現在の瀧くんと入れ替わっていたのは、実は3年前の三葉ちゃんだったのです。
この事実が判明するまでがまた切ない。お互いのことが気になりだしたある日、突然入れ替わることがなくなってしまいます。どうしてももう一度だけ三葉に会いたい、そう思った瀧くんは入れ替わった時の状況を思い出し、必死に三葉の居場所を探し、会いに行くのです。
しかし、三葉の住んでいた糸守町という場所は3年前に彗星が落下しており、町そのものがなくなっていたのです。
入れ替わっているのに時間がズレていたなんて思いもしなかった。しかも美しい彗星が悪者でもあった。そんな衝撃から、しばらく瀧くんと同じように呆然としてしまいました。
そんな… と思っていた僕ですが、瀧くんは諦めませんでした。入れ替わりが止まってしまったのは彗星が落下する前日だったこと、糸守町にはこの世とあの世の境目となる場所(この辺よく分かってないです)があることを思い出し、必死で「もう一度入れ替わる方法」を探します。
嵐の中、山を登り見つけた場所は、過去に瀧くんが三葉として訪れたことのある「ご神体」という場所でした。

「三葉の半分」と言われる 口噛み酒 を飲むと同時に転倒し気を失った瀧くんは、再び三葉と入れ替わることに成功します。しかも入れ替わったのは彗星が落下する当日でした。そして、彗星が落ちる前に町の人たちを避難させるべく行動します。
絶望から一転、なんとか三葉を助けてくれ!! と祈らずにはいられないほど、映画の世界へ引き込まれていました。

爆破テロ作戦

再び三葉の身体に戻った瀧くん。学校の仲間を説得し、町の人を避難させるための作戦を立てます。ずばりその作戦は、テロを装い変電所を爆破させ、町内放送を利用して避難を促す という高校生らしいかわいい(?)ものでした。しかし、この作戦に必要不可欠だったのが、町長である三葉のお父さんの協力でした。町長が消防隊を動かし町民を避難させるという算段。作戦は完璧でした。
しかし、瀧くん(身体は三葉)では三葉の父親である町長に協力してもらうことができませんでした。それもそのはず「彗星が落ちるから、なんとかみんなを避難させたい」なんて言われても信じられないでしょう。瀧くんの「三葉、お前ならどうやって父親を説得するんだ」という切実な思いも虚しく、町長の協力なしで、自分たちだけで作戦を決行することになります。
まもなく黄昏時(夕方・「誰だあれは」という意味で「たそかれ」という言葉になったとされる と序盤で説明があった)、瀧くんはふと、三葉との繋がりを感じます。「三葉、そこにいるのか?」そう呟いた瀧くんは、作戦を友人に任せ、山を登り、入れ替わりに成功したご神体まで再び向かいます。なんとかして三葉に会いたい、そんな必死の気持ちがひしひしと感じられました。
一方、気を失っていた三葉(身体は瀧くん)が目を覚まし、ご神体の外に出ます。そこに広がっている光景は、彗星によって壊滅した3年後の故郷でした。「わたし、あのとき死んだんだ。」自分が死んだ時の光景を思い出し、泣き崩れます。
自分が死んだことを知る というのはどれほど辛いことなのでしょうか。僕たちには絶対に分かってあげることができません。

泣き崩れる三葉。そこに、三葉を呼ぶ瀧くんの声が聞こえます。お互いがお互いを探しますが、声は聞こえるのに相手の姿は見えません。しかし、二人がすれ違ったとき、お互いに何かが繋がった感覚を得ます。「そこに、いるのか?」と瀧くん。相手が見えずとも、目の前にいることが分かった二人。ふと空を見ると、時間は黄昏時。二人は同時に「黄昏時だ」と呟きます。
すると、お互いの姿が見えるようになっていました。3年間の時を超えて、二人は初めて会うことができたのです。

再会、そして物語はラストへ

ついに会うことができた二人。気付けば、身体は元に戻っていました。彗星はすぐそこまで迫っている中、ほんの少しの幸せをかみしめる二人。「三葉、まだ君にはやることがある」と瀧くんは言います。なんとしてでも彗星の被害を最小限に抑えなければ。
元の身体に戻ると、入れ替わっていた時の記憶を忘れていくことに気付いていた瀧くんは、別れる前に「お互いの手のひらに名前を書こう」と三葉に提案します。瀧くんが三葉の手のひらに文字を書き、次は三葉が名前を書こうとしたその時、日が沈むと共にお互いの姿が見えなくなってしまいます。

突然の別れを惜しみながらも、元に戻った瀧くんは三葉の名前を忘れまいと「三葉、三葉、三葉!!」と何度も呟きます。しかし、声に出しているにも関わらず、記憶から名前が消えていってしまいます。
一方、三葉は動き出します。なんとしてでもみんなを避難させなければ。 必死に山を下り、爆破作戦を決行します。みんなを避難させるための町内放送を流すまでは順調でした。が、すぐに町長から「放送は間違いだ」というアナウンスがなされてしまいます。
どうすれば良いのかわからなくなってしまった三葉。もう彗星落下まで時間がありません。道行く人に「逃げて」と必死に伝えるも、誰一人として聞き入れない。慌てて走り回っていた三葉は転倒し、諦めかけてしまいます。
このとき僕が思ったことはただ一つ、「終わった」。三葉だけでもいいから、なんとか逃げてくれ。心からそう願ってしまいました。
さっき瀧くんと会うことができたのは、死ぬ直前の神様のいたずらだったのかもしれない。最後に少しの幸せを味わえたから、あとは死ぬだけ。そんなバッドエンドばかりを想像してしまいました。
諦めそうになった三葉は、さっき瀧くんが手のひらに書いた文字を読みます。そこには瀧くんの名前ではなく「好きだ」の文字が。これじゃ名前がわかんないよ そう笑った三葉。まだ間に合うと信じ、走って町長である父親の元へ向かい、頭を下げます。
ここで三葉の話が終わりました。

君の名前は?

いつの間にか時が経ち、瀧くんは就職活動の真っ最中。
誰と会いたかったのか、なぜ糸守町まで行ったのか、色々なことが記憶から消えてしまっていました。
彗星については、落下したという事実は変わらなかったものの、町長が「避難訓練」と称して町民を避難させたため、奇跡的に被害は少なかったそうです。三葉の頑張りが報われたようで、心からほっとしました。生きてて良かった。そこで重要になるのが、三葉と瀧くんが再会できるのかどうかです。映画も終了に近付いているのに、さらにドキドキさせられます。
三葉は高校生の時、将来は東京に行きたいと言っていました。なので、たとえお互いのことを忘れてしまっていても、瀧くんときっと再会できる、そう願わずにはいられません。
三葉との記憶がほとんど消えてしまった瀧くんですが、学校や就職活動をする中で、どこか心の隙間を感じていました。何を求めているのかは分からないが、何かが足りない。その「何か」を探しながら生活を送っていたある日、向かいの電車に乗っていた女性に何かの繋がりを感じます。それと同時に、相手の女性も瀧くんに気付いたような表情を浮かべます。
慌てて電車を降りた瀧くんは、必死にその女性を探します。そして、とある道の階段の上に、その女性を見つけました。
ゆっくり近づき、そして、すれ違います。
え、すれ違っておしまい? 同監督の過去作「秒速5センチメートル」で、ずっと想っていた人と、ただすれ違っただけで終わってしまった切ないラストが脳裏をよぎります。
なんとか繋がってくれ!
「あの、どこかで・・・」すれ違ったあと、振り向いて瀧くんが言いました。
「わたしも・・・」と三葉。
・・・・・繋がった・・・・・!!。
そして物語は、二人のこの一言で終わります。
「君の、名前は?」

感想

素晴らしい映画。いろいろな要素が絡み合い、ハッピーエンドとして綺麗に終わりました。
入れ替わりが時を越えていたこと、彗星が落ちる前にもう一度入れ替われたこと、記憶が薄れても再会できたことなどなど、ハラハラドキドキするには十分すぎる内容でした。
なんでもう一度入れ替われたのか、なんで彗星が落ちる前に二人が会えたのか、僕がまだ理解できていないところもあります。なんででしょうか。

上には書けませんでしたが、実は三葉は彗星が落ちる前日に瀧くんに会いに行ったみたいです。瀧くんからしたらそれは3年前の出来事なので、三葉のことも知りません。そんな切ない話の繋がりもあったりと、あちこちで色々な要素が絡みあった、美しいストーリーだったと思います。
映画のラストですれ違ったとき、秒速5センチメートルを見たことのある人は「また二人が結ばれないストーリーか・・」と思ってしまったかもしれませんが、今回はそれを良い意味で裏切ってくれました。ほんと、ハッピーエンドでよかったなぁ。
さて、このブログを読んでも、わけ分からない点が多いかと思います。 そんな方は、映画を見に行ったり、DVDを見たりすることをオススメします。マジで見て損はない!僕としては、見てよかったと心から思っております。大切な人がいる人からぼっちまで、ぜひぜひ映画を見て、感想を語り合いましょう!
ということで、ミーハー甘口映画評論家のまっちゃんでした。