「運動をした2日後に筋肉痛がくるなんて…私はもう歳だな…」
よく言われるこの言葉、実はこれってウソなんです。
筋肉痛が遅れる原因は年齢のせいではありません。
ではなぜ筋肉痛が遅れてくるのか?
今回はその原因について書いていきます。
目次
筋肉痛の原因
筋肉痛とは、運動をすることに伴って生じる筋肉の痛みのことです。
筋肉痛のメカニズムというのは正確には解明されていないのですが、主に2つの原因によって痛みが生じると言われています。
疲労物質の分泌
筋肉に負荷がかかると疲労物質が溜まり、それが筋肉痛の原因になることがあります。
疲労物質でよく言われるのが「乳酸」
運動をすると乳酸が溜まるという話は聞いたことがあるかと思います。
乳酸などの疲労物質が溜まると運動直後に痛みが生じます。
これも筋肉痛なのですが、2日後にくる筋肉痛とはまったく別のものです。
筋繊維の破壊→回復による炎症
では、筋肉痛が遅れるのはなぜか?
それは筋繊維の回復による炎症が原因です。
というのも、筋肉に負荷をかけるほど筋繊維(筋肉を構成する細胞)が破壊されていきます。
破壊というと恐ろしい言葉に聞こえますが、筋肉というのは破壊と再生を繰り返すことによってつくものなので問題はありません。
筋繊維が破壊されるとその部分が炎症を起こし、運動中や運動直後に痛みが発生します。
ここまでは即時性の筋肉痛ですが、問題はこのあと。
破壊された筋繊維は一度分解されてから、その部分に新しい筋繊維が合成されるのです。
新しい筋繊維が合成される際に筋肉の痛みが生じ、その痛みは運動の2〜3日後にやってくるのです。
つまり、筋肉痛が遅れるのは筋肉の回復のためであって、年齢は関係ないのです。
なぜ筋肉痛が遅れるか
筋肉痛が遅れてくるのは年齢のせいではなく、筋肉を修復する際の炎症が遅れてくることが原因だということが分かりました。
ではなぜ歳をとると筋肉痛が遅れてくるという間違った情報が信じられているのでしょうか?
それは運動中の負荷のかけかたの問題です。
筋肉に負荷をかけるほど、運動中に疲労物質が溜まるので即時性の筋肉痛が起こります。
逆にいうと、筋肉への負荷が中途半端にかかった場合は筋繊維の破壊が部分的なものとなってしまい、即時性の筋肉痛が生じないのです。
しかし運動によって筋繊維の一部は破壊されているので、2、3日してから筋繊維の修復がおこなわれ、それに伴って痛みが生じます。
実際のところ、年齢によって筋肉痛の出かたや回復のスピードに大きな差が出ることはないそうです。
なにが影響するかというと、普段どれだけ筋肉を使った運動をしているかということ。
歳をとると若い時ほど筋肉に負荷をかけた運動ができないので、無意識のうちに「ほどほどの運動」しかできなくなっているのです。
筋肉痛を早く治す方法
みなさんご存知の通り、筋肉痛は放っておいても自然に治ります。
でも、少し動くだけでも痛みが生じるのは不便だし、できるだけ早く治したいですよね。
ある程度の年齢になると新陳代謝が遅くなるため、痛みやだるさが長引くことも。
そんな時はこのような方法を試してみてください!
ストレッチをする
よく言われていることですが、運動をしたあとすぐにストレッチをすることは非常に重要です。
かたくなった筋肉をほぐしてあげることで、疲労物質である乳酸を減らす効果があります。
ビタミンB群を摂取
ビタミンB1、B2、B6は筋肉に溜まった乳酸を素早く分解してくれます。
具体的にいうと
生ハム、たらこ、青のり、
レバー、干し椎茸、
にんにく、マグロ、カツオ
などなど。
筋肉をつけるにはタンパク質が効果的ですが、それと同じように筋肉痛の対策をするならビタミンB群を意識的に摂取してみるのが良いでしょう。
お風呂に入る
乳酸を減らすためには血行を良くする必要があります。
そのために最適なのがお風呂に浸かること。
タイミングとしては筋肉痛がくる前がベストです。
ぬるめのお湯に浸かれば血行が良くなり、筋肉痛の予防となります。
温めることと冷やすことを繰り返すとより効果的ですが、筋肉痛があまりにもひどい場合は逆効果になることもあるので注意が必要です。
睡眠をとる
筋肉痛を治すために一番大事なことは、睡眠をしっかりと取ることだと言ってもいいでしょう。
睡眠中には成長ホルモンが分泌されます。
これは身体のさまざまな機能をコントロールする大事な役割をもっており、筋肉を新しく作るためにも分泌されます。
22時から2時までは睡眠のゴールデンタイムと呼ばれ、成長ホルモンが活発に分泌されます。
寝すぎは良くないですが、適切な時間に、適切な量の睡眠を取ることが大事です。
まとめ
- 歳をとったから筋肉痛が遅れるのではない
- 筋肉痛が遅れる原因は、すぐに筋肉痛が起こるレベルの運動をしなかったから
とはいえ、筋肉痛がないと筋肉が増えないことも事実。
日頃から運動をして、筋肉痛が遅れて来ない身体作りをすることが健康につながるでしょう。